筋腫だけじゃなくて?

昨年、まさに腹腔鏡手術で子宮筋腫を除去した友人は、某病院を紹介してくれましたが、その後、かかりつけ医に話してみると、「これだけ大きな筋腫を腹腔鏡手術で除去するということは、お腹の中で筋腫を切り刻んで吸い取るということよね? 思い切って開腹手術でいっきに取ってしまったほうがいいんじゃないですか? こんなに大きいんだもの。取ったら、たとえば腰とか、(私が数年悩んでいる)坐骨神経痛とか、ラクになるかもしれませんよ。筋腫に他の臓器が圧迫されている可能性は極めて高いですし、取ったら、鼠径部の流れも良くなって、足のむくみもなくなると思いますよ」などと一気に説明してくれます。とにかく手術をしたほうがいい、という判断でした。

繰り返しになりますが、泊まりで名古屋に行く仕事を“卒業”し、スケジュールに余裕ができたこともあり、「手術で除去する」という決断は、ほぼ決まっていました。けれど、どうしても腹腔鏡手術の諦めがつかなかったのです。

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結論が出ないまま、私はもう一度、総合病院の婦人科を訪ねました。すると、前回、開腹手術を勧めてきた女性医師が、「この病院なら腹腔鏡でやってくれるかもしれません。この3月に、地方の病院から腹腔鏡の名医が移ってきたと聞きましたから紹介状を書きますね。相談してみてください」と、巨大な子宮筋腫が映ったDVDと紹介状を手渡してくれたのです。

それがゴールデンウィーク前のこと。4月初旬に実施した人間ドックからわずか3週間ほどで私はいくつかの術前検査を受け、心身共に万全の状態で、「四谷メディカルキューブ」の羽田智則医師を訪ねたのが5月のことでした。

俳優の飯田基祐さん似で、物腰の柔らかな羽田医師が私に差し出したのは、表紙に「子宮全摘手術を受けられる方へ」という15ページにわたる説明書でした。え? 筋腫だけじゃなくて? 全摘? 続けて羽田医師は笑顔で「これで婦人科系は、卒業です」と告げたのでした。(次回に、つづく)