具体的な延命治療の内容は

一口に延命治療と言っても、さまざまな状況、方法があります。ただ単純に「無理な延命治療はやめてほしい」と言うだけでは、病院も対処できません。だから治療方法を知っておく必要がある。

たとえば医師から、「口からご飯が食べられなくなったら胃ろうにしませんか」と提案された時、どうしますか?現実には、「そもそも胃ろうって何ですか?」と訊ねる人がほとんどです。

現在行われている延命治療には、主に「人工栄養」「人工呼吸」「人工透析」の3つがあります。

「人工栄養」は、口から栄養が摂取できない人に対して行われる処置。チューブを介して流動食を直接胃に注入する方法が胃ろうで、他には血管に栄養剤を点滴で注入する方法があります。

「人工呼吸」は、自発的な呼吸ができない人に対して、人工呼吸器を用いて酸素を肺に送るもの。高齢者の場合、誤嚥を防ぐために口や鼻からチューブを挿入する気管挿管、喉に穴を設けて空気の通り道を作る気管切開が処置されることが多いでしょう。

「人工透析」は、腎機能が低下して血液中の老廃物の除去ができなくなった慢性腎不全の患者に対して、尿毒症を予防するために行う処置のこと。週3回など決まった回数の治療を受ける必要がありますが、前述の2つと異なり、意識があることがほとんどで、自分で判断できます。