(イラスト◎大野舞)
スピリチュアリストとして、さまざまな角度から読者のお悩みに答え、生きる指針を示してくれる江原啓之さん。現在は熱海に在住し、ていねいな暮らしをしながら日々「生きる上で大切なこと」を発信し続けています。『婦人公論』のリニューアルにあたって始まった新連載「〈幸せぐせ〉を身に着けよう」。第21回は「息子夫婦が離婚し、妻側が親権をもつ孫に会いたい」です。

Q 息子夫婦が離婚し、子の親権は妻側に。孫と連絡を取りたいが……

A)息子の元妻に断りを入れ、孫に直接連絡する

B)孫への連絡は我慢する

尊重すべきは孫の気持ち

息子夫婦の離婚によって、子どもの親権は別れた妻が持つことになった。となれば、祖母である自分と孫との関係も今まで通りにいかなくなるのは想像に難くありません。休日に遊びに来てくれていた孫とは、もう会えないのだろうか。かけがえのない存在である孫とこれからも会いたい、声を聞きたい――。そんな葛藤が今回のお題です。

幸せの選択は、その思いが「小我」なのか、「大我」なのかによって判断します。小我というのは、自分の気持ちを優先して行動すること。大我とは、相手を思いやり、自分よりも相手の立場で考え行動することです。今回ならば孫の気持ちを最優先に考えることが一番のポイント。となると、幸せぐせはBとなります。

たしかに息子とその妻は離婚した。しかし孫と祖母である自分は血がつながっているのだから、気兼ねなく連絡していいのでは? というのが本音かもしれません。Aは、「とはいえ断りもなく孫に連絡するのは強引すぎる。ここはせめて元妻に許可を得よう」と、一歩引いているつもりなのでしょう。しかし、問題は元妻に許可を取る、取らないではなく、自分が孫に連絡を取りたいという気持ちを貫こうとしている点。一番大切な、孫の視点に立つことが欠けているのです。