家庭では、いい夫でもいい父親でもないかもしれません
高校野球オタクだった貴彦少年は、少しずつ大好きな高校野球の中枢で指導者として活躍することとなり、2012年に母校の助監督、そして2015年に監督に就任した。すでに家庭を持っていた森林さんだが、幼稚舎教諭、高校野球監督という激務の中、夫、父親というポジションをどのように守っているのだろうか。
結婚したのは、幼稚舎に就職した翌年です。妻とは筑波の大学院時代に友人の紹介で知り合いました。初めて会ったのは新宿の居酒屋です。(笑)
息子が二人いて、長男は、慶應高校3年の野球部員です。メンバーには選出されず悔しい思いをしたり、監督の息子ということでやりにくいところもあったと思いますが、よくがんばったと思っています。周りに明るい空気を作ることができるキャラの持ち主です。
次男は今、小学校6年生。野球にあまり興味がないようで、どちらかというと実験などをする研究者になりたいらしいです。実はこの子がうちで一番大人なんです。(笑) 僕はもちろんほとんど家にいられないのですが、甲子園が始まって、妻も長男も、最後は8日間も甲子園に滞在することになってしまった。その間、次男は「うん、わかってるから。大丈夫だよ」と義母と一緒に過ごしてくれていた。完全に甘えちゃってますよね(笑)。甘え過ぎちゃいけないなと思ってはいるんですが…。今回はこの大人の部分に家族みんなで救われました。
家庭では、いい夫でもいい父親でもないかもしれません。ほとんどいないですからね(笑)。休みは一年に10日ぐらいですかね…。少ない休みを使って、僕が父親にしてもらったように、僕も息子たちを連れて山登りに行ったりしています。
甲子園で優勝して、翌日、選手たちと新幹線で戻ってきて、新横浜駅で現地解散したのですが、そこに妻が車で迎えに来てくれました。
久しぶりの再会でしたが「おかえり」「お疲れ」みたいな会話だけです(笑)。
「アルプス、混んでて大変だった~」みたいなことは聞きました。僕たちは、アルプスの大変さはわかりませんから「ふ~ん、そうなんだ~。暑かったよね、ありがとう」と…。(笑)