甲子園優勝を「人生最高の思い出」にはしてほしくない

すでに新たな日常をスタートさせている森林さんとチームの選手たち。いったん頂点に上り詰めた以上、「優勝監督」「優勝チーム」という肩書をひとつ加えて、これからの１年を過ごすことになる。

甲子園＝高校野球＝聖地というイメージがついていますが、１年で最も暑い季節に炎天下で試合をすることについても、議論が進んでいくべきですね。

あの暑さの中ではベストパフォーマンスはでにくいですし、犠牲者が出てもおかしくない。全国大会であれば、甲子園でなくてもいいかもしれないし、夏でなくてもいいかもしれない。

慶應義塾大学4年の学生コーチ時代、慶應高校野球部の部員に囲まれて（写真提供◎森林さん）
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高校野球は甲子園がすべでてはありません。今回の慶應の優勝が、いろいろな議論を加速するきっかけになればいいですね。

そして、選手たちにはこの甲子園優勝というのを「人生最高の思い出」にはしてほしくない。これから先、まだ何十年も生きていくので、もっともっと素晴らしい経験を重ねてほしいと思っています。

僕自身もまだまだ高校生と一緒に成長していきたいです。時代の波にあわせて自分自身を変えていくことも必要だし、いろいろな人の意見を聴きながら、多角的に自分の指導法を検証して進めていきたいと考えています。