黒田さん「『Mサイズ=平均サイズ』ではない」(写真提供:Photo AC)
ファッションのアドバイス本やコーディネート本を読んで実践してみるも、「なんだか思ったイメージと違う…」と感じた経験はないでしょうか。「骨格診断、低身長・高身長、やせ・ぽっちゃり関係なし!頭身が低くても大丈夫!そのままの体型であか抜けられます」と語るのは、ファッション業界で25年間、6000人以上の女性をスタイリングしてきた黒田茜さん。黒田さんによると、「『Mサイズ=平均サイズ』ではない」とのことで――。

「Mサイズ=平均サイズ」ではない

日本の洋服ブランドの中心サイズはM、9号、38サイズなどですが、これらが日本人の体型の平均にズバリ合っているかというと、そうではありません。

「JIS規格」はご存じでしょうか。日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた国家規格で、電化製品、自動車、日用品はもちろん、衣類についても基準のサイズが定められています。

「9AR」が、日本人女性の最も標準的なサイズと設定されています。「A」は体型を表し、バスト83cm・ヒップ91cmの日本人の標準的体型、「R」は身長を表し(普通〈Regular〉のRです)、身長158cmを表しています。

さて、この平均的なサイズに合わせて服を作ると、どうなると思いますか?

実は、ずんぐりした、平凡な服になってしまいます

ブランドのマスターサイズと言われる、中心サイズ(M、9、38)の服は、身長160から163cmくらいの人が着ると丈バランスがちょうどよくなるように設定されていることが多いです。

モデル体型までではない、160cm前半の、親しみやすい読者モデル体型の人が着てちょうどいいサイズ感です。

中心サイズ(M、9、38)がJIS規格の「9AR」に沿っていればいいのですが、そうではないのです。