カリッと凍った敵がポトリと

しずか〜に寄って行って狙いを定めたら、渾身の一撃で、ぎゅうぅぅうーーー!!
なぜか夫はこの時自ら「きゅぅぅぅーーーーっ!」と裏声で声を上げながら迎え撃つ。きっと敵の「やられた感」を代弁してボイスオーバーしているんだと思う。なんのこっちゃ。

敵が明らかに頭の赤い、黒光りした細長い節の害虫の場合は、さらに息を潜め、動きを悟られないように殺虫剤を確保する。そろりそろりと近づいていって、敵にノズルの照準を合わせ、しばらく「無」の空白時間をおいてから、一気にシュヒーーーーーー!!!!!

カリッと凍った敵がポトリと壁から床に墜落する。ミッキー(トイプードル)がそれを嬉しそうに駆け寄ってきて食うてしまわないうちに、完全に息絶えているのを確認してペーパーで掴み、トイレへ。敵はクルクルと水流に回りながら旅立っていくのである。

ここまでが、元木夫婦の一連の害虫駆除だ。

この任務を遂行した父や母の姿に「アルマゲドン」のテーマ、エアロスミスの「I don’t want to miss a thing」を重ねて、拍手で迎える息子たち。
野球で尊敬される父は別として、私なんて今これくらいしか息子たちからリスペクトされてないんではないかと思う。