経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「インボイス制度で家計にも影響が!?」です(イラスト:さかがわ成美)

インボイス制度で家計にも影響が!?

「インボイス(適格請求書)」とは、事業者が消費税の税率と税額を取引相手に正確に伝えるための請求書のこと。この登録をした企業や個人事業主が請求書を発行すると、誰が、どこで、どれだけの消費税を負担したかが税務署にわかります。

今月から導入されるこの制度で、最も大きな影響を受けるのが、年間の売り上げが1000万円以下の事業者。今までこうした業者は免税で、消費税を国に納めなくてもいいことになっていました。しかし、「インボイス」登録事業者を選択するとそれはできなくなります。

登録事業者になるかならないかは、選択制。登録しないという選択もありますが、その場合、たとえば下請け企業の消費税を親会社が負担することになるので、「ならばほかに仕事を回す」ということになりかねません。選択制とは名ばかりで、実際には登録を迫られる業者が数多くいます。

こう書くと、「私はもうリタイアしているから、関係ないわ」と思う方もおられるでしょう。

ですが、そうとも言っていられません。なぜなら、意外なところに影響が出てくるからです。