時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは福岡県の60代の方からのお便り。体を壊し、身寄りもなく、人に頼ることも苦手だったけれど、それでも生きていたいと頼った先は――。
それでも生きていたい
食料が尽き、水だけで過ごす日が3日続いていました。ひどいふらつきとめまいであちこちにぶつかり、体中青あざだらけ。
そんな折、私が救いを求めたのがNPO法人「日本もったいない食品センター」でした。生活困窮者への食料支援を行っている機関です。恥を忍んで現状を知らせるお手紙を書き、支援をお願いしたのです。
限界寸前で届いた食料を見た瞬間、子どものように声をあげて泣きました。ボロボロ涙をこぼしながら、カップ麺とお菓子を食べ、飢えをしのぐことができたのです。子ども食堂やひとり親家庭への食料支援のようなものが、私たち高齢者にはないのか、スマートフォンもパソコンもない私には調べる手立てもありません。
この数年、複数の仕事を掛け持ちし、何度も過労で倒れ、回復する前に復帰してはまた倒れるということを繰り返した結果、完全に体を壊してしまいました。身寄りもなく、性格的にも人に頼ることが苦手。それでも、生きていたいのです。
かろうじて繫がった命。食品センターさんに心より感謝しつつ、これからはSOSを出す勇気を持って、ためらわずに支援団体や行政に頼ろうと思います。そして、自活できるようになりたいのです。