Q4 最低限備蓄しておいたほうがいいモノは?
先にもご紹介しましたが、最優先で用意したいのは災害用トイレ。トイレが不衛生になると感染症のリスクも上がりますし、高齢者は、水分不足から心筋梗塞や肺炎などの重大な疾患を引き起こしかねません。
実は、災害関連死の多くは脱水が原因というデータも。食事量が少なくなる災害時は、いつも以上に水分が不足しがち。塩飴や梅干し、経口補水液があれば脱水の予防になります。
モバイルバッテリーは前述のとおり。薬を常用している人は、医師に相談して備蓄分を用意しておくとよいでしょう。
Q5 災害に備えるなら、どんな寝室が理想?
転倒の危険がある棚やタンスなどがなく、モノがほとんど置いていない状態であること。窓ガラスには飛散防止シートを貼り、布団やベッドは窓から離れた位置に。近くにはスニーカーなど、履きやすい靴を置いておくとよいでしょう。
壁掛け時計や吊すタイプの照明器具は凶器になる場合があります。時計は置き時計にし、照明は天井にはめ込むタイプのものを。
外に出られる動線を確保しておくことも大事です。ハザードマップ上で水害リスクのある家の場合、危険な日だけは2階で寝るなどの対応をしてください。
最近は、リフォームをする際に、1部屋だけ耐震強度を上げて「シェルター化」するケースも増えてきました。寝室のみ耐震強度を上げておくのも手でしょう。
Q6 防災グッズはどこに置けばいい?
つい家の隅に追いやられがちな防災グッズや非常袋。いざという時に見つからない、取りに行けないのでは意味がありません。私がおすすめしているのは、玄関に箱型の椅子を置き、その中に入れておくこと。
靴を履くために玄関に椅子を置いている人も多いと思います。この椅子を箱型収納タイプに替えるだけで、収納場所になります。玄関にあれば、持ってすぐに逃げられるという利点も。
食品類や水などはローリングストックとしてふだんの置き場所で構いません。ただし、水害リスクのあるエリアに住んでいる人は、2階など浸水被害を受けにくい場所に置いておくほうがよいでしょう。
寝室が在宅避難場所になるようなら、災害用トイレ、経口補水液、水、食料などを、玄関と分散させて、置いておいてもよいと思います。