規模の大きい地震では、同時に多くの場所で火災が発生する恐れがあります。大地震が発生した際に気をつけたい火災対策について考えてみましょう。
関東大震災では火災による被害が大きかった
地震発生時、さまざまな被害の中に火災があります。100年前の関東大震災では「火災旋風」も猛威を振るいました。火災旋風というのは火災により発生する竜巻のような渦のことで、周囲に火の粉を飛ばして延焼を拡大します。
先日、ハワイのマウイ島で発生した山火事でも、火災旋風が発生して被害を拡大したのではないかと考えられています。
大規模地震発生時には、複数の場所で火災が同時に発生するおそれがあります。
関東大震災では調理火を原因とする火災が多数発生しましたが、1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災で発生した火災では、停電から復旧して再通電した際に発生する「通電火災」が出火原因の多くを占めました。実際に、出火の原因が特定されている火災のうち、阪神・淡路大震災では6割が、東日本大震災の本震では過半数が通電火災だったという報告もあります。