「兄弟姉妹」の関係性は、成長する過程で大きな影響を与えます。心理カウンセラーとして20年以上活動を続けてきた根本裕幸さんいわく、「兄姉がいるか、弟妹がいるか、また何番目に生まれたかによって、人生観や性格がある程度決まる場合がある」とのこと。今回は、大人になった時「上下関係」のベースの一部になるという、家族との関係性についてご紹介します。
人は子ども時代の役割を引き継ぐ
突然ですが、質問です。
日常生活の中で、どうしてもうまくいかない人間関係があるとします。
あなたは、その原因がどこにあると思いますか?
いつもトラブルになってしまうあの人ですか?
それともあなた自身?
もちろん、直接の原因はそうかもしれません。
しかし、ある人の人間関係の特徴を読み解く場合、背後に3つの要素があり、それらが色濃く影を落とすことがあるのです。
その3要素とは、「親子関係」「思春期の頃の人間関係」、そして「兄弟姉妹関係」なのです。
親子関係と思春期の頃の人間関係は「上下関係」のベースとなります。
わかりやすく、会社の組織を例に説明してみましょう。
上司との関係は、親との関係を投影しやすいものです。
たとえば「いつも上司(男)と揉もめてしまう」という悩みを持つ男性がカウンセリングにいらっしゃれば、私は間髪入れずに「お父さんとの関係はどうでした?」と質問するでしょう。
また、職場の先輩・後輩との関係は思春期の頃の人間関係が影響することが多く、うまく関係を築けないという人には、「中高生のときの上下関係はどうでしたか?」と問うことになります。