『光る君へ』のセット「清涼殿」
平安時代の建築様式を再現した「清涼殿」。藤原道長が天皇に拝謁するシーンでよく登場する
現在放送中の大河ドラマ『光る君へ』。屋外ロケで武士たちが戦うような戦国ものとは違って、屋内でのドラマ展開が多い今作。貴族たちの美しい着物や建物など、平安時代の雅も見どころの一つだ。画面を通して四季の風情を感じさせる壮大なセットなどにも、エコへの取り組みがなされているという。『あさイチ』も合わせ、舞台裏を見せてもらった
(取材・文◎しろぼしマーサ 写真提供◎NHK)

夢のようなひと時

NHKの大河ドラマは『赤穂浪士』(1964年)から見続けているが、平安時代に興味がある私にとって、夢のようなひと時を体験した。現在放送中の大河ドラマ『光る君へ』に登場する、平安時代の建築様式を再現した「清涼殿」に立つことができたのだ。

柄本佑さんが演じる藤原道長が天皇に拝謁するシーンなどに使われているので、印象に残っている視聴者は大勢いるはず。

白木の木目が美しい丸柱、鮮やかな緑色の青竹の御簾、格調高い天皇の御在所である。NHKの美術チームは、国宝「源氏物語絵巻」などを参考にして研究を重ね、スタジオ内に雅の世界を再現している。

清涼殿の白木の階段の上から、息をひそめてリハーサルを見ていた。リハーサルが終わったとたんに、NHKの担当者が、「丸柱は軽量で使いまわしができます。屋根も同じ軽量素材です」と説明を始めた。