(イラスト◎大野舞)
スピリチュアリストとして、さまざまな角度から読者のお悩みに答え、生きる指針を示してくれる江原啓之さん。現在は熱海に在住し、ていねいな暮らしをしながら日々「生きる上で大切なこと」を発信し続けています。『婦人公論』のリニューアルにあたって始まった新連載「〈幸せぐせ〉を身に着けよう」。第34回は「財産は近所に住む子どもだけに相続させ、他の子には放棄してもらいたい」です。

Q 財産は近所に住む子どもだけに相続させたい。 ほかの子は放棄してほしいと思うがーー

A)何かと世話になる子に遺すのは当然

B)ケンカの種にならぬよう等分する

生きているうちに説明を

親が子どもに「ちょっと手伝ってほしい」と思ったとき、遠くに住んでいる子より、近所に住む子のほうに、つい頼りがちなのはよく聞く話です。今回のテーマも同じで、近所に住む子どものほうを頼りにしているケース。今までも、これからも世話になるだろう子どもにお礼の意味を込めて、財産を遺したいというのがA。本心はさておき、差をつけるときょうだいが揉めるかもしれないから、等分したほうがいいと考えを改めたのがB。あなたならどちらの選択をしますか?

意外かもしれませんが、幸せぐせはA。理由は、親の財産は親のもの。親が誰に譲ろうと勝手だからです。本心に従うほうが後悔もありません。ただし、なぜきょうだいに差をつけるのか、親の気持ちをキチンと説明しておくようにしましょう。親が亡くなってから遺言書を見てびっくりするのと、生前に親から説明されているのでは雲泥の差ですから。

たとえ親が気持ちを誠実に説明したとしても、きょうだいゲンカ、親子ゲンカになるかもしれません。けれど、それも含めて親の決断ですから、受け入れるしかないのです。そもそも、子どもの思いを考えてみても、世話はしないけど同じように財産はほしいなんて、厚かましいとしか言いようがありません。血の繋がらない他人の場合なら理解できるのに、なぜ親子だとこうも複雑になるのでしょうか。