「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を健康寿命といいます。健康寿命は、バランスの取れた食事や適度な運動などにより伸ばせるとされていますが、もう1つ重要なのが「腸内環境」です。
栄養学の新常識「発酵」
腸内環境の権威である京都府立医科大学内藤教授によると、『近年栄養学の新常識として「発酵」が重要視されている』といいます。
従来、食事で摂取した栄養素は「消化」「吸収」「排泄」の工程を経ると定義されてきました。
しかし最近になって、消化と吸収の間に、体内での「発酵」の工程があることがわかってきました。この発酵によって作り出される代謝物が、健康寿命の延伸につながると考えられています。
特に注目なのが、「短鎖脂肪酸」という代謝物です。食物繊維の一種である「発酵性食物繊維」を摂取することで産生され、腸内環境を整える作用があります。
これにより大腸がんリスクが抑えられたり、腸管免疫が向上し、全身の免疫力向上につながったりと、さまざまな健康効果が期待できます。
発酵性食物繊維は、果実類や豆類、海藻類などから摂取することができます。