国土交通省が発表した「マンション総合調査」(令和5年度)によると、5年前と比較してトラブルを抱えていないマンションが減少し、トラブルを抱えてるマンションが増えているそう。発生した内容については居住者間のマナーをめぐる問題が60.5%と最も多かった。具体的内容としては、生活音が43.6%と最も多く、次いで違法駐車が18.2%、ペット飼育が14.2%。代表的な項目以外でも、隣人に悩まされている人は少なくないのでは。今すぐに引っ越しはできず、住み続けるしかない……。そんな場合、こちらからつきあいを断つのが、ささやかな抵抗です。佐竹さよ子さん(仮名・宮城県・主婦・50歳)は、衝動的に購入したマンションで、住民とのつきあいに軋轢がうまれたようで――
共同購入の受け取りを断ったら
20代の半ばにマンションを買った時は、ほぼ衝動的だったから、その後マンション住民とのおつきあいで軋轢がうまれようとは露も考えなかった。今思えばなんと能天気で無謀な買い物だったかと思う。総戸数が20戸と少なく、つきあいが濃密になってしまうことも、困った事態を招く一因だったのだろう。
最初に違和感を感じたのは、マンションの住民で生協から食材などを共同購入することになり、数ヵ月がたった頃だった。
共働きをしている女性が、毎週留守にしているからと、お金を私に預けるようになった。そのお金と引き換えに、私はその人が注文したものを受け取り、部屋の前まで持って行って置いておくのが習慣に。
ご近所のよしみ。それくらいやってあげてもいいのかもしれない。だが次第に、毎回毎回、重い段ボール箱を運ぶことが理不尽に思えてきた。最初は相手も感謝してくれたが、そのうちにそれが当たり前という態度に変わったことも大きかったように思う。