(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が実施した「令和4年 国民生活基礎調査」で、頻尿の自覚症状がある人の割合(有訴者率)は、人口1000人あたり38.8人だったそうです。そのようななか、医学博士の高橋悟先生(「高」は正しくは「はしごだか」)は「頻尿や尿もれといった尿トラブルの多くは、セルフケアで改善できることがわかっている」と話します。そこで今回は、高橋先生の著書『頻尿・尿もれ 自力でできるリセット法』から、一部を抜粋してご紹介します。

女性はもれやすい、男性は出にくい

日本の病院には約40種類もの診療科がありますが、男性も女性も訪れる科としては、泌尿器科が「最も性差が出る」ところだと言っていいでしょう。それはなにより、泌尿器の仕組みが男女で大きく違うからです。

膀胱から尿の出口まで伸びている管が「尿道」です。尿道の直径は、男女とも1cm以下で、その点は違いがありません。

ところが長さは、男性が約17〜18cm、女性が約3〜4cmと、まったく違うのです。また、男性の尿道はS字カーブを描いていますが、女性の尿道は真っ直ぐです。

後で触れますが、女性のほうが男性よりも「もれやすい」傾向があります。それは女性の尿道は出口までの距離が短くて、真っ直ぐだからです。