もう20歳になる孫に、「ほんとはいくつなの?」と聞かれ…(写真:stock.adobe.com)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは埼玉県の70代の方からのお便り。年上でも年下でも、できるだけ下の名前で呼ぶようにしているその理由は――。

「ばぁば」ではなく

「かずこさん」。呼び掛けると、「名前で呼ばれたのは久しぶりだわ。いつも〈おばあちゃん〉だから」と返された。年の離れた92歳の友達を、私はいつも下の名前で呼ぶ。

「そりゃあ、おばあちゃんには違いないけれど、名前で呼ばれると嬉しいわ」と笑顔がこぼれた。

勤め先では名字で、結婚したら「誰それの奥さん」、子どもができると「XXちゃんママ」と呼ばれる。子どもからは「お母さん」、その友達からは「おばさん」、孫からは「おばあちゃん」。いったい名前はどこへいってしまったのだろうか。

私は年上でも年下でも、できるだけ下の名前で呼ぶようにしている。なれなれしいと思われるかもしれないが、親しみが増すと思うからだ。手紙でも、初めの一行は「親愛なるXXさん」と名前を入れる。

夫のことも名前で呼ぶ。孫からは「じぃ」と呼ばれているが、私がそう呼んでも返事をしない。名前で呼ばれるのが嬉しいのだろう。