(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
年末を前に、大掃除をしなければ…と考えている方もいるのではないでしょうか。しかし「忙しくてできない」「どこから手をつけたらいいかわからない」など、お掃除の悩みはさまざま。そんななか「断捨離は一度したら終わりでなく、日々のお手入れです」と語るのは、「断捨離」の第一人者であるやましたひでこさんです。そこで今回は、やましたさんの著書『引き出し1つから始める 1日1か所 断捨離』から、簡単に実践できる断捨離を一部ご紹介します。

出かける前のタイムリミットで断捨離は進む

「この時間に、この空間の断捨離をしましょう」という提案をしていきます。本記事では、「出かける前にできる断捨離」を。

ところで、なぜ出かける前というバタバタ慌ただしい時間をあえて提案するのでしょうか。これには理由があります。

多くの人が「断捨離したいけどできない」と悩んでいる理由として、「時間がない」があげられます。そもそも断捨離は「大量のモノをまとめてするもの」というイメージを持ちがち。ゆえに、ただでさえ忙しい日々の中で「まとまった時間」がとれるはずもなく、先延ばしにしている現実があります。

そこで私は声を大にして言いたい。

断捨離は日常の中で行うお手入れですよ、と。小さく区切ったこの1か所でいい、ごく短時間で「ついでに」できるものです。わざわざ時間を作る必要はなく、今日からカンタンにできることを知ってほしいのです。

私たちは空間、時間、人間(エネルギー)という3つの制限の中で生きています。時間の制限があると、エネルギーの集中を促します。空間の制限があると、その中で入れ替えが起こります。私たちに湧いてくるエネルギーの制限があることで、自分を慈(いつく)しむようになります。

出かける前は時間がないため必死になります。朝、歯磨きをしたら、ついでに洗面台の鏡も磨く。靴を履くついでに靴箱一段を眺め、もう履かない靴を取り出す。このように、出かける準備をしながら「ついでに」始末をしていきましょう。

短時間なので、グダグダと言い訳している暇はありません。とにかく準備して出かけなければならないのですから、先延ばしできない。「お尻を決める」と、やるしかないのです。締め切り、納期を設けるから仕事が終わるのと同じ。これが「制限の効用」です。

もちろんやり残してしまうこともありますが、そんなときは「今回はここまでできた!」と切り替えて、元気に出発しましょう。