(写真提供:Photo AC)
厚生労働省の「令和5年(2023)人口動態統計(確定数)の概況」によると、2023年の離婚件数は18万3814組で、前年の17万9099組より4715組増加しました。そのようななか、約4万件のトラブルを解決してきた離婚カウンセラーの岡野あつこさん曰く「近年は<モラハラ>や<価値観の相違>に由来する離婚相談が増えている」とのこと。そこで今回は、岡野さんの著書『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』より一部を抜粋してお届けします。

私が「洗濯離婚」したワケ

私はこれまで2回結婚し、2回とも離婚しています。とくに最初の夫とは、少々悔しい別れ方になってしまったので、それがきっかけで「離婚カウンセラー」を開業することになったのです。

これは私の経験談なのですが、2番目の夫との間で、「あること」をめぐってどうしても折り合いがつかず、最終的に離婚することになりました。

相手は非常に几帳面な性格で、洗濯するときは洋服とタオルは別々に洗うし、黒い服と白い服を分けて洗濯します。そのため、1日に3回も洗濯することが普通でした。

一応、洗濯は各自でやっていました。でも、1日3回も洗濯されると、自分も働いている私は自分の洗濯をする時間がつくれません。

しかも、私が自分の洗濯をしている途中に、元夫は洗濯機を止め私の洗濯物を洗濯機の外に出して、自分の洗濯物の色物やタオルを分けて洗おうとしたりするのです。

その後で乾燥機もかけるので、洗濯に時間がかかってしかたがない。

私は再婚で、相手は24も年下でした。だから日常生活でも、ある程度のことは年上の私が譲ってあげようと思っていました。実際、たいていのことは譲っていたのですが、洗濯の件だけはどうしてもダメでした。

結局、問題は解決しないまま、離婚することになってしまいました。