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「15年も働いたら勲章ですよ。自分で自分を褒めて、認めてあげるべきです」(撮影:下村亮人)
姉妹漫才コンビ「海原千里・万里」での大ブレイク、タレントとしての活躍――そして現在は歌手の顔も持ちつつ、ユーチューブにまで活動の場を広げる上沼恵美子さん。数々の願いを叶えた今、感じることは(構成:社納葉子 撮影:下村亮人)
頑張ってきた自分を褒めてあげる
今、『週刊文春』とユーチューブで人生相談のコーナーを持っています。みなさん、悩んではるんですね。びっくりするほど相談がくるんです。共通しているのは「こんな自分」という言葉。家族のため、アホな社長のため、15年、20年と働いてきたのに「私なんか」と言う。
だいたい誰も褒めなさすぎなんです。夫も息子も褒めてくれない。娘なんてもっといやらしいこと言ったりするわけで。子育ても仕事も「できて当たり前」と言われると腹が立ちます。15年も働いたら勲章ですよ。自分で自分を褒めて、認めてあげるべきです。
とはいえ、落ち込んだ時は悪いことしか考えられません。私はそんな時、フェスティバルホールでのコンサートに来たファンの方の顔を頭に思い浮かべます。私はあれだけの人を楽しませたんだ、と。
自分を俯瞰できるようになると、「ああ、ようやってきたなあ」と思えることが絶対に見つかります。
とくに女性は、結婚した時点で人生がいったん終了すると思うんですよ。夫や姑の世話、子育てに人生を捧げて、自分の時間なんてありません。
そしていざ、姑は死んだ、夫は年とった、子どもは帰ってこない、となって「これからは自由ですよ」と言われたら、誰でも戸惑います。