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3月権利の株主優待は?
リスクが高すぎ?「元とれ」優待2つも紹介

リスクが高すぎ?「元とれ」優待2つも紹介

賛否両論あるかもしれませんが、「むちゃくちゃ安すぎる」リスクがあるかもしれない2万円以下の低位株2銘柄も紹介します。ただ、これらは、上手な使い方をすれば「投資資金すべてを回収できる元とれ銘柄」のため、筆者も実は保有しています。

まず、1つめは焼肉坂井ホールディングス(2694)(株価73円、最低投資額7,300円)。

「株主優待」は10%の割引券です。焼肉の食べ放題を「肉匠坂井」で行い、肉匠坂井コースを選ぶと、4人(大人2人、小学生2人)の場合は1万2,474円なのですが、「株主優待」を使うと10%の1,247円が割引になります。

これは半年に1度行くなら、約3年(6回分)すれば「100株7,300円分」で投資資金を回収できる計算です。

また、2つめとしてヴィア・ホールディングス(7918)(株価121円、最低投資額1万2,100円)でも、投資資金の回収ができます。

「株主優待」内容は、パステルなどの店舗で1,000円ごとに500円引きになる券で、100株では10枚分がもらえます。これは、これまでの1,000円につき250円割引になる内容から拡充しています。

ランチでよくパステルを利用する人で、すべての優待券を使い切れるなら、3年で株価分の回収ができる計算です。

これらの「お得すぎる」内容は大丈夫なのかと疑いたくなりますが、この「疑う」ことは実はよいことです。

例えば、焼肉坂井ホールディングスを見てみると、2020年や2021年は「当期利益※」マイナスで、このあたりが投資するのに怖すぎるという人もいます。

ヴィア・ホールディングスでは、2020年2021年の「当期利益」はマイナスで2023年もマイナスになっています。

※企業が1事業期間(通常は1年間)に稼いだ利益をいいます。

経済専門誌の特集では、赤字企業は急な「株主優待」の廃止リスクも高く、紹介をあえて避けているケースもあります。ただし、筆者としては年間で300銘柄以上保有していることもあり、「株価がマイナスになるかもしれない」スタンスを理解の上で取り組み、“投資資金を回収できたらよい”という姿勢でいます。

経営がうまくいっていても急に「株主優待」制度の廃止をし、その後ふたたび復活を発表した有名寿司チェーン店のようなケースもあるわけですから、アナリストでさえ先のことを予想するのは難しいです。

そのため、初心者には不向きではあるものの、「もしかすると投資資金を回収することも可能かも」と思ったら実践してみましょう。それが2万円予算の株で実現できたら面白いと考えています。

今回紹介した「元本回収ができるまで買っておく」ような投資スタイルは万人にウケるとは思いませんが、挑戦してみることも株式投資の醍醐味かもしれません。

 

パステルのパスタの写真。
パステルのパスタ(筆者撮影)

〈「株主優待」とは?〉

ここで、「株主優待」について説明しておきます。私たちが株を買うと「株主」になれます。企業は株主に対し、割引券や優待券、お米やカタログギフトなどをプレゼントすることがあり、これが「株主優待」です。

〈「権利付最終日」とは?〉

権利付最終日とは、株主がその銘柄を保有することで、配当金や優待などの株主権利を得られる最終取引日のことです。

つまり、配当金や「株主優待」などを取得するためには、企業が決める「権利確定日」に、株主として株主名簿に記載されている必要があります。

例えば、2025年3月末の権利付最終日は3月27日、権利落ち日は3月28日です。そのため、3月末に優待を実施している企業の「株主優待」の権利を受けるためには、3月27日までに株を買っておかなければなりません。