所得税の課税が生じる年収水準を表す<103万円の壁>を引き上げる改正案が議論されています。税金や年金など、お金に関するさまざまな制度が変わりつつある今、あらためてお金の勉強をしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、社会保険労務士・ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんがお金の新しいルールを解説した著書『知らないと増えない、もらえない 妻のお金 新ルール』から、一部を抜粋してお届けします。
妻の気持ち Q.夫のお金は私のお金でもありますよね?
先生の答え A.いいえ、あなたのお金じゃありません
家のお金は誰のものか、考えてみたことはありますか?
「夫婦ふたりの財産なんだから、少なくとも半分は私のものでしょ」と思う人もいるかもしれませんね。とくに夫の扶養に入っている人なら、家族の生活費や貯金を夫の収入のなかからやりくりすることが当たり前になっているので、そのように“勘違い”しがちではないでしょうか。
そう、残念ながらそれは勘違いなのです。夫が稼いだお金は、あくまでも夫のものでしかありません。
家計の銀行口座の名義は誰になっているでしょうか。日本の銀行では、共同名義の口座は開けないので、夫婦共有の口座として管理する場合でも、夫名義になっている世帯が多いはずです。妻も家族カードなどのキャッシュカードを持って家計の管理を任されていたとしても、夫名義の口座である以上、そのお金は夫のお金なのです。