警察庁が公表した「令和5年の刑法犯に関する統計資料」によると、2023年の侵入強盗の発生件数は414件で、前年と比べて約1.5倍に増加したそう。闇バイト強盗をはじめ、新手の犯罪が増えているなか、元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課警部補の佐々木成三さんは、現在メディアに多く出演し、防犯について発信しています。今回は、佐々木さんが最新の防犯対策について解説した著書『闇バイト強盗、特殊詐欺、盗難から身を守る いますぐ防犯』より、一部引用・再編集しお届けします。
「自分だけは大丈夫」はあり得ない
最近、世間をざわつかせているのが、10代から20代の若者たちによる強盗事件。いわゆる「闇バイト」で雇われた、犯罪の素人である若者が実行犯とされる強盗事件です。
SNSやインターネット上の「即日即金」「簡単作業。日当10万円」「1日で5万円稼げる」などの甘い言葉に誘われた若者たちが、指示されるがままに高齢者宅に侵入し、金品を強奪する。
何より怖いのは、金品が盗まれるだけでなく、住人が暴行を受け、負傷するケースが相次いでいることです。中には、住人が命を落とす事件も発生しています。
「私の家も狙われているかもしれない……」
そんな不安から、毎晩雨戸を閉めるようになったり、玄関のカギの確認をするようになったり、ホームセンターの防犯グッズコーナーに相談に行くなどしている人は多いと思います。
一方で、「うちはお金がありそうな家に見えないから」「こんな田舎に強盗なんて来ないから」「狙われるのは大きな家で、私の家は小さいから」などと、当事者意識が薄い人もいます。はっきり言っておきます。
狙われない家なんてありません。
次に狙われるのは、あなたの家かもしれません。