1989年に漫画家デビュー、その後、膠原病と闘いながら、作家・歌手・画家としても活動しているさかもと未明さんは、子どもの頃から大の映画好き。古今東西のさまざまな作品について、愛をこめて語りつくします!(写真・イラスト:筆者)
ミュージカルの金字塔的作品
「4月19日からGWの5月7日まで、新国立劇場中劇場でミュージカルの『アニー』がみられる! そのあとは夏に梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで!」という情報を得て、1982年の初代と、2014年の2代目『アニー』がまとまったDVDを購入した私。
『アニー』は、ハロルド・グレイの新聞連載漫画『小さな孤児アニー』を原作とした大ヒットブロードウェイ・ミュージカルが元祖。1976年に試験版が上映されて以来、アメリカだけで毎年700回から900回上演されているという。映画化は1982年、2014年の2回、その間に一度テレビ映画版も制作されている。ミュージカルの金字塔的作品だ。
最初の映画版『アニー』は、1930年代にアメリカを襲った大恐慌の時代を背景にし、2014年版は現代アメリカを舞台にしている。
私はマニアにありがちな「メジャー」を避けたがる傾向があり、余りにも有名なこの作品を見ていなかった。「あの『TOMORROW』で有名なミュージカルがそもそも最初だよね?」と、共にモニター前に座った主人が嬉しそうに言う。主人はこういう家族向けハッピーエンド映画が大好きなのだ。内心「ちぇっ」と思いながら私は、2枚入りDVDのパッケージを開ける。コロンと出てきたのが、2014年版。なのでこちらから見ることに。

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