
日本の奥ゆかしい作法として、大切に伝えていけたらいいなと…(写真:stock.adobe.com)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは兵庫県の80代の方からのお便り。友人の退院祝いの贈り物をお店に買いに行った際、ある出来事が――。
松の葉の表書き
「やっとギプスが取れて、今日からリハビリです。外出は無理ですが、口だけは元気になりました」。3週間前に家の中で転倒し、足の骨折で入院治療中だった友だちからメールが届きました。
「じゃあ退院したら、元気な顔を見に行っていいかな?お口の運動もしましょうよ」と返せば、「ぜひぜひ。待っています」と、快いお返事。
料理上手な彼女のお宅を訪れる際はいつも、定年退職後の夫が健康維持と趣味を兼ねて畑で育てている大根や白菜、春菊、人参などを手土産に持って行っていました。
ところが今年は天候のせいか野菜のできが悪く、他人様にあげられる見栄えの野菜は育たなかったのです。