101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが綴った、毎日の小さな喜びを大切に、前向きに悔いの残らない時間を過ごす生き方。エッセイ集『101歳。ひとり暮らしの心得』(中央公論新社)から幸せな暮らし方の秘訣を紹介します。

<生きていることが楽しくなる秘訣>

「人間は結局ひとり」という覚悟が人を元気にする

私の場合は、もともと丈夫だったのと、若い頃から「人間は結局、ひとりで生きていかなくてはいけない」という一種の覚悟を持って生きてきたことが、高齢になっても元気でいられる理由かもしれません。

働き始めたのは15歳のとき。戦争を挟み、30歳で結婚しましたが、夫は文芸評論を仕事としていたので、定収入があるわけではありません。

だから私は、自分で自分を食べさせられるようにと、結婚後も仕事を続けてきました。

 

(写真:stock.adobe.com)

 

それに夫は10歳上だったので、私のほうが残るに違いないと思っていました。

「なんとかひとりで生きていけるように」という強い思いが、私の元気の原動力でしたし、101歳まで比較的健康に過ごすことができた理由かもしれません。

 

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