(イラスト:花松あゆみ)
初夢の夜、枕の下に入れる和歌「長き夜の―」や「竹やぶ焼けた」など、逆さに読んでも同じ音になる言葉、文、歌は「回文」と呼ばれ、古くから親しまれてきました。本誌2024年10月号では回文作家のコジヤジコさんが、回文の魅力と作り方をわかりやすくご紹介。その記事を参考に実践した読者から作品を募集したところ、416作が集まりました。コジさんに選ばれた12作品をお楽しみください(構成:本誌編集部 イラスト:花松あゆみ)

1よりつづく

【佳作】

●さあ、能登、新潟、家築き、えい!互いにとの、朝
<さあのとにいがたいえきずきえいたがいにとのあさ>
(新潟県・青柳富士子・69歳)

 

 

《評》

思いのこもった回文だと思いました。被災地である能登、新潟という地名に、「家築き」「互いに」という言葉がぴったりはまっています。

回文で「えい!」を使うと、普段であればちょっとズルをしている印象を受けるのですが、この場合は掛け声として絶対に必要な言葉だと感じました。