お義母さんの訪問前には、食器の総入れ替え作業が定例化…(写真:stock.adobe.com)
気になるニュースや家族のモヤモヤ、日々の生活で感じたさまざまな思いや誰かに聞いてほしい出来事など、読者からの投稿を紹介するWEBオリジナル投稿欄「せきららカフェ」。今回ご紹介するのは、60代の方からの投稿です。お義母さんからプレゼントされる備前焼の食器類。ありがたいとは思いつつ、困ったことに――。

ちょっと困ったプレゼント

今は黄泉の国にいるお義母さんから、生前は食器類をよくプレゼントされました。はじめの頃はうれしかったのですが、困ったことに趣味が全く違いました。

お義母さんの好みは、茶褐色の備前焼。私は白い有田焼。

諸々真逆ゆえ、またスペース的にも食器棚に一緒に並べるのは無理なので、お義母さんの訪問前には、食器の総入れ替え作業が定例化していました。

その作業が完了した食器棚を眺めて御満悦のお義母さんの帰宅後、再び新聞紙にくるみ直し、元の段ボールに入れて物置に戻す作業も同じく定例化。

片付けるのが面倒なうえに、重くてかさばる焦げ茶色の器は「お義母さん、もう要りません」と、何回声に出してお断りしようと思ったか分かりません。

だけど、お茶をしながら嬉々として備前焼の良さを私に語るお義母さんを前にすると、結局最期まで言い出せませんでした。

お義母さん、私も姑になりました。

決して自分の好みを嫁には押し付けません。彼女が「欲しい」と言った物だけプレゼントします。

それがあなたを反面教師にして学んだことです。

そうそう、お義母さんからプレゼントしてもらった食器類は、知り合いのデイサービスの人が欲しいと言ってくれたので、全て寄付しました。

スタッフの人たちが「丈夫で助かる」と喜んでいました。私も喜んでもらえて心が軽くなりました。

 

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