経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「パートの社会保険加入は得? 損?」です。(イラスト:さかがわ成美 「婦人公論」2025年8月号より掲載)
パートの社会保険加入は得? 損?
2025年の年金制度改正法案で、基礎年金の底上げと並んで大きな柱となっていたのが「106万円の壁」の撤廃。
なんだか喜ばしいことのように聞こえますが、「106万円の壁」の代わりに、それよりももっと高い「週20時間の壁」という勤務時間の壁がそびえ立ちます。
「106万円の壁」とは、パートタイマーが、会社の社会保険に加入しなければならないライン。従業員51人以上の企業で、年収が106万円(月額8万8000円)以上、勤務時間が週20時間以上なら、会社の社会保険に加入しなくてはなりません。
この「106万円以上」と「従業員51人以上」という条件が撤廃され、「勤務時間週20時間以上」という条件だけが残ることになります。
結果、今まではちょっと大きめの会社に勤めるパートが対象だった社会保険への加入義務が、規模にかかわらずすべてのパートに適用されることに。たとえば1日5時間の勤務なら、週に4日以上働けば、会社の社会保険に入らなければなりません。