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好きなアイドルや俳優、キャラクターなどを応援する「推し活」。青春時代の初恋のように推しに夢中になって、追いかけているうちに、心も体も若返った――そんな3人の女性の日常をのぞいてみたら

《初恋の人》と再会して

「子育てが一段落ついて、これから仕事に没頭しようかという時、家族の介護が始まりました」

グラフィックデザイナーのミキさん(69歳・仮名=以下同)は、会社に所属せず、フリーで働いてきた。子育て中も何とか仕事を続けていたが、それも母親が倒れるまでのこと。

「母があっけなく逝ってしまった後、一人残された父が急速に衰えて要介護生活に突入。ようやく父の施設入所が決まってほっとしたのもつかの間、今度は夫の介護が始まりました」(ミキさん。以下同)

父の介護が8年に及ぼうとする頃、夫に異変が起きる。

「父の介護を手伝ってもらうどころか、夫は病気のデパートでした。がんに始まって脳梗塞、そして若年性の認知症。一人は施設とはいえ両手に要介護者を抱え、休まる時がない生活が2年は続いたでしょうか。父を看取ってからも、夫は入退院を繰り返し、最後は要介護5の寝たきりになってしまいました」