(写真提供:飯田洋輔さん)
日本を代表するミュージカル俳優の一人、飯田洋輔。劇団四季において、メインキャストを務める看板俳優だったが、20年に及ぶ劇団員生活に終止符を打ったのは2023年末。その直後に帝国劇場の舞台で『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン役に抜擢されたのは記憶に新しい。
この秋には、『オペラ座の怪人』ファントム役でも知られる世界的なミュージカルスター、ラミン・カリムルーや、映画『レ・ミゼラブル』で舞台から唯一エポニーヌ役に選ばれたサマンサ・バークスとのスペシャルコンサートでの共演も決まっている。
「ラミン・カリムルーは憧れの人!」という飯田洋輔に、このコンサートにかける思い、そして「舞台俳優 飯田洋輔」としての来し方行く末を聞いた。(構成:吉田明美)

心に刺さる歌声

ラミン・カリムルーは、ロンドンの劇場街であるウエスト・エンドで最年少で『オペラ座の怪人』の主役に抜擢されたことでも有名な、世界的ミュージカルスターです。

実は僕は、劇団四季にいる間、『オペラ座の怪人』や『エビータ』など、彼が演じた役を演じることが続いていたことがあって。世界中にはミュージカルの音源がたくさん出回っているわけですが、僕にはラミン・カリムルーの歌声がとても心に刺さるんです。

彼のパフォーマンスには脱帽しかない。無駄な力が入っていないのにパワフルで、かつ繊細。歌唱力、高い技術力に裏打ちされた表現力など、どれをとっても最高です! 僕は勝手に「先生」と呼んで「先生はどう歌っているんだろう?」と考えながら音源で勉強させてもらっています(笑)。彼のように歌ってみて「なるほど、ここで僕は余計な力が入っていたんだな」「ここはこういうポジション(発声する際の位置)を使っていたのか」などと一人で納得したりして…。かなり影響を受けていますね。