「Happy Birthday」のカードが添えられたお花
Happy Birthday Day to me.自分で買う自分のためのフラワーアレンジ
世間から「大丈夫?」と思われがちな生涯独身、フリーランス、50代の小林久乃さんが綴る“雑”で“脱力”系のゆるーいエッセイ。「人生、少しでもサボりたい」と常々考える小林さんの体験談の数々は、読んでいるうちに心も気持ちも軽くなるかもしれません。第57回は「おばさんの友達」です。

前回「『久しぶり!』の連絡にはご用心。だいたい良からぬ勧誘か…大事にしたほうがいいのは同じ目線の友情。旧知でつながるコミュニティーの人員を増やす予定はなくて…」はこちら

友達がいない問題

10月25日の誕生日にこの原稿を書いている。トイプードル年齢で計算をすると8歳くらいになったらしい。当日は更年期、腰痛、低気圧の耳鳴り、ストレス性の蕁麻疹で目覚めたので誕生日を祝うよりも明日の健康を願う中年になったのだと、思いが沁みる。

10代から一緒に過ごす5人組のグループLINEに、朝から誕生日おめでとうメッセージが飛び交う。昔は深夜にメールをし合っていたのに、いつの間にか朝8時スタートになっているのも年齢か。そんなに多くの友達がいるわけではないので、自分の誕生日を覚えていてくれる存在は貴重だ。

友達。

女性雑誌に長らく携わっているけれど、20代が対象読者でも『婦人公論』のような雑誌でも、定期的に友情に関する企画を扱っている。読者が同じように悩んでいるのは「友達がいない」だ。社会人となって会社に勤務すると同僚はいるけれど、友達がいない。結婚して母親になるとママ友問題に加えて、仕事、家事、育児となると「友達と過ごす時間すらない」。

それでも取材やアンケートで聞こえてくるのは「家族以外にちょっと話せる友達が欲しい」。ほう。でもそんな悩みなら心配無用であると、トイプードル8歳になった先輩から伝えたい。