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2025年6月13日に成立した「年金制度改正法」が、2026年4月1日以降段階的に施行される予定です。しかし、年金制度になんとなく疑問を持っているという方も多いのではないでしょうか。確定拠出年金アナリストの大江加代さんは「誤解にもとづいた炎や煙は私たちの心に『年金はあてにならない』というイメージを強く残し、老後への不安から現在の暮らしを楽しむという幸福を奪うことさえあり、非常にもったいないこと」と指摘しています。そこで今回は、夫の故・英樹さんとの共著『知らないと損する年金の真実 - 改訂版 2026年新制度対応 -』より、一部を抜粋してお届けします。

貯蓄と保険の違いは?

公的年金というものの本質を正しくお話ししたいと思います。それもできるだけ難しい話は避け、ごくシンプルにわかりやすくお話しします。

「年金は“貯蓄”ではなく、“保険”である」ということです。実はこの概念は年金で最も大切な本質であり、この考え方がちゃんと理解できれば年金に対する誤解や間違いの8割以上は解消すると言っても良いと思います。

読者の中には「え! 保険って、あの生命保険とか自動車保険の保険でしょ? 年金の一体どこが保険なの?」と思う人もいるでしょう。「保険」と聞くと、民間の生保や損保が提供している保険がすぐ思い浮かびますから、それと年金がどう結びつくのかがピンとこないのだろうと思います。

たしかに民間の保険会社はさまざまな保険を提供していますが、実は最も大事な保険は民間の保険ではなく、「社会保険」なのです。社会保険というのは、病気になった時に治療費がまかなえる健康保険や失業した時の雇用保険、あるいは年を取って要介護状態になった時に補助される介護保険といったものです。年金もそんな社会保険のひとつです。