人の顔や名前が思い出せない、今言おうとしたことを忘れてしまった−−。そんな日常のちょっとした物忘れが増えていませんか?誰でも加齢とともに低下しがちな認知機能。それを強化できるのが宮口幸治先生考案「コグトレ」です。「コグトレ」について詳細はプログラム1日目をご参照ください。3週間続けて、あなたの認知機能をアップ、そして物忘れを防止しましょう!(イラスト=有村綾)

「コグトレ」3週間プログラムとは

「コグトレ」は、認知機能に着目し、生きる力を高めることを目的としたトレーニングで、「コグニティブ(認知)トレーニング」の略です。もともとは子どもたちの認知機能を一から養うためにつくったものですが、現在は高齢者の認知症予防にも活用されています。

毎日取り組むことで、「記憶」「言語理解」「注意」「知覚」「推論・判断」といったつの要素を含む認知機能が高まるのがポイントです。「記憶力」と「言語理解力」は「覚える」、「注意力」は「数える」で鍛えることが可能。「知覚」は「写す」と「見つける」で、「推論・判断」は「想像する」で強化できます。

認知機能の5つの要素

『婦人公論』世代にとって日常生活で重要なのは、「未来に行うべき予定や約束」を覚えておくことでしょう。Aさんとの待ち合わせはいつ、どこで、だったか。買い物に行くのにポイントカードはどこにしまったか。仕事をしている人なら、段取りを覚えて、サッと思い出す必要があるでしょう。こういった日常生活の中で必要となる未来の記憶「展望記憶」を、必要な時にすぐに取り出せることが重要なのです。

「覚える」コツは、たった2つ。1つは、口に出したり、書いたりを繰り返す「リハーサル」。もう1つは、「語呂合わせ」です。「いい国つくろう鎌倉幕府」の1192年は何年経っても忘れませんよね。