医師が着用しているガウンが水色なのは、普段目にしている血液の赤色の補色だから(提供:写真AC)

唾液はどこから出ているのか? 目の動きをコントロールする力は? 人が死ぬ最大の要因とは? おならは何でできているのか? 私たちの体は謎だらけ。その不思議に迫った、外科医の山本健人さんによる累計16万部突破のベストセラー『すばらしい人体』から一部を抜粋、編集してお送りする本連載。第5回は、「なぜ医師のガウンは水色なのか?」。普段医師が目にしている血液の赤と関係があるとのこと。その他、医療用物品の細部にわたる意図とは――

手術着を水色にして目の疲れを軽減

医療従事者の服装といえば、「白」というイメージを持つ人が多いかもしれない。確かに、医師や看護師など医療従事者は白衣を着ていることが多い。

だが、手術や処置の際に身につける使い捨ての物品となると、断然「青系統」のものが多くなる。ドラマの手術シーンを思い浮かべるとわかりやすいが、マスクや帽子、ガウン、手術台にかかったシーツなど、あらゆるものが薄い青〜緑色である。

なぜだろうか?

実は、青や緑が赤の補色だからである。

血液を見る機会の多い処置では、医療従事者は赤色をじっと見ることになる。もしシーツやガウンが白いと、視線を移した際、そこに青緑の残像がちらついて見えにくくなってしまう。これを補色残像現象という。そこで、補色である青系統の物品を使い、残像による視野の妨害と目の疲れを軽減するのだ。

『すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険』(著:山本健人/ダイヤモンド社)