堂々の「パンダ座り」で竹を食べる良浜(写真提供:アドベンチャーワールド)
白と黒の丸っこいカラダ、愛らしい顔…初めて日本に来た1972年より、ジャイアントパンダは多くの日本人に愛され続け、その姿をひと目見るために行列ができます。現在、日本で最も多くのパンダを飼育してる和歌山県にあるアドベンチャーワールドの「パンダチーム」が教える、パンダの魅力とは。かわいい反面、その生態に未知の部分が多くミステリアスな動物であることも理由の一つ。今回は「人間みたい」なパンダの行動を紹介します。

名物・パンダ座りができるのは、体が柔らかいから

生まれたときからしっかり生えているカギ爪は、お母さんの体を登っておっぱいにたどりつくのに必要です。そして成長して4〜5か月ごろになると、今度は木登りにとても大切になります。外敵に狙われやすいパンダの子どもにとって、木登りは自分を守る本能でもあります。

野生で暮らしているパンダは外敵の気配を察知すると、応戦して威嚇するというより、まず隠れます。手近に木があれば、登るのが一番の安全策。鋭いカギ爪でかなり高いところまで登ります。

アドベンチャーワールドのパンダたちも、運動場に設置した木登り用の木や、木で作った登れる遊具などでよく遊んでいますが、地面に戻るときは降りるというより、落ちる感じのときがあります。

おとなになると100キロ超えの大きな体が落ちますから、ケガをするのでは?と心配になりますよね。でも大丈夫。パンダはとても体が柔らかいので、かなり派手な落ち方でも、体全体で衝撃を受け止めて、ケロッとしています。

足を投げ出して座る「パンダ座り」。まるで人間のように腰を下ろして竹をむしゃむしゃ食べる姿は、ゲストにはシャッターチャンスでもある定番スタイル。この姿勢ができるのも体が柔らかいから。またおとなのパンダでもときにでんぐり返りをすることがありますが、これも柔軟性があっての技です。

巨体には違いないのですが、主食が竹なので脂肪はあまりつきません。どちらかというと筋肉質で柔軟な体なのです。そのおかげで、パンダ座りやでんぐり返りのほかにも、木に引っかかってみたり、狭いところにはまってみたり、「寝違えないの?」と思うような姿勢で眠ったりできるのです。