「人間みたい」なパンダたち

こう書いてくると、いろいろなしぐさをするパンダですが、お母さんパンダの良浜には変なくせがありました。一時期、自分の足の裏のにおいをすごくかいでいたんです。

座っていて、動き出す前に必ずかぎ、竹を食べていたと思ったら、いきなりかぎ。「何やってるんだろう」と不思議に思う行動がしばらく続いたことがありました。そういえば、人間も、におうとわかっているものをあえてかいでしまうときってありますよね。

飼育スタッフをしてきて、パンダのことを「人間みたい」と思うことがよくあります。竹を前肢で器用に口に運ぶ姿や、感情表現や表情を見ていると、人間みたいで親近感を覚えます。それが見にいらしたゲストに親しみを感じてもらえて、たくさんの人に愛されている理由かも、とも思うのです。

 

※本文データは特記がない限り、2022年11月現在。

※本稿は、『知らなかった! パンダ――アドベンチャーワールドが29年で20頭を育てたから知っているひみつ』(新潮社)の一部を再編集したものです。


知らなかった! パンダ――アドベンチャーワールドが29年で20頭を育てたから知っているひみつ(著:アドベンチャーワールド「パンダチーム」/新潮社)

なぜ白と黒? 先祖は肉食!? 走ると早い!
かわいいだけじゃない魅力と謎を徹底解説!

四半世紀を超えてジャイアントパンダを飼育するアドベンチャーワールドは中国を除くと世界一の繁殖例を誇る日本の施設。人間に換算すると約90歳の父・永明を筆頭に、グレートマザー良浜とその娘たちを日々お世話する飼育スタッフが、意外な素顔や出産・育児、不思議な生態について詳しく紹介。誰かに話したくなるトリビア満載!

 

アドベンチャーワールド(和歌⼭県⽩浜町)

温暖な紀伊半島の和歌⼭県⽩浜町にある陸、海、空の140種1400頭の動物が暮らす「こころにスマイル未来創造パーク」をテーマに掲げたテーマパーク。ジャイアントパンダをはじめ、希少動物の繁殖に成功し、保護研究活動に努めている。

■公式HP:https://www.aws-s.com/