1960年代に『りぼん』『なかよし』の表紙や“おしゃれページ”を手がけ、文具や小物などの「セツコ・グッズ」で一世を風靡したイラストレーター・田村セツコさん。今年で85歳になるセツコさんは、現役で仕事をする傍ら、食べものも着る服もありあわせ、お金を使わずかわいくておしゃれなひとり暮らし生活を楽しんでいます。そのセツコさんいわく、なんでも「ありがたい、うれしい」と思うと、だいたいの心配事は消えていくそうで――。
朝起きたらやること
朝起きたとき、あたり前だと思ってることを発見しなきゃいけないと思っているの。
だから毎朝、手足を確認して、手足が動いてるなんてうれしい、わーすごい。
新聞を読もうと思ったら、ちゃんと目が見える。
やだ、耳も聞こえる。テレビやラジオをつけたら、音も聞こえる。
で、ゆっくり起きる。歩けてうれしい。うわーラッキー。
そういうことを毎朝確認して、うれしくなっちゃうんですよね。
それでまわりを見回すと、新しい日の光、新しい空気。水道をひねれば水が出る。ぜいたく。