(イラスト◎大野舞)
スピリチュアリストとして、さまざまな角度から読者のお悩みに答え、生きる指針を示してくれる江原啓之さん。現在は熱海に在住し、ていねいな暮らしをしながら日々「生きる上で大切なこと」を発信し続けています。『婦人公論』のリニューアルにあたって始まった新連載「〈幸せぐせ〉を身に着けよう」。第15回は「モラハラ夫が要介護状態になったら面倒をみるべきか」です。

Q モラハラ夫が要介護状態になった

A)イヤだけれど介護する

B)絶対に介護はしない

本心からの選択か?

長年、夫からモラルハラスメント(言葉や態度による暴力)を受け、苦しんできた。「俺は稼いでいるのだから家事は妻がして当然」「子どものトラブルは母親の教育がなっていないから」「主婦は家にいられてラクだろう」などと言われ、封建的で支配的な夫への怒りを抱えている女性は少なくないでしょう。とはいえ、離婚するには経済的に厳しい。あるいは、子どもが結婚するまでは夫婦のままでいたい。そんな理由から離婚せず耐えてきた人も多いかもしれません。愛想が尽き、気持ちのうえでは他人以下にしか思えない夫が要介護状態になったら……。あなたはどういう選択をするでしょうか。

ポイントは、自分の本心に向き合い正直になることです。長年連れ添った情もあるし、面倒をみてあげようと思うのか、どうしても世話はしたくないと思うのか。あなたの正直な気持ちを見極めることが大切です。

今回のお題に対する選択肢を見ると、Bだけでなく、実はAも本心では面倒をみたくない、と思っていることが見て取れますね。Aは「イヤだけれど介護する」のであって、愛情からではありません。Bのように「絶対に介護はしない」と言い切ってしまえば、親族や周囲から「鬼嫁」「冷たい人」と言われそうだから仕方なく介護しようと忖度しているだけです。しかし、いつまで続くかわからない介護生活、本当に世間体を取り繕う気持ちだけで乗りきれるでしょうか。想像するだけでも不幸な毎日が待っているように思います。そんな選択をするぐらいなら、介護しないと言い切る強さがあるBのほうが、ずっと幸せと言えるでしょう。つまり幸せぐせは、Bです。

世間体よりも本心に従えば、まわりから「鬼嫁」と言われることもあるでしょう。けれど、それも含めての選択です。