お年玉はさすがに4人の孫全員にくれましたけど、子どもたちで見せ合うから額が違うことがばれちゃって(写真はイメージ/写真提供:photo AC)
祖父母にとって孫は無条件で可愛いもの。誕生日、クリスマス、お年玉、七五三に入学祝のランドセル、長じては教育資金に結婚祝……。孫にかける金銭は愛情の証しと思う人も多いだろう。ただ、その愛情に偏りがあったら? 孫ごとに扱いが異なることで、トラブルになった家族を追った

お年玉の額まで違うなんて

東北地方に住むユキさん(49歳)は、結婚以来、義母と同居していた。夫は2人兄弟の弟だが、自由奔放な兄夫婦は同居を断り車で5分ほどのところに家を建てたので、弟夫婦にお鉢が回ってきたという。

「兄夫婦と私たちに対する義母の態度が、笑えるくらい違うんですよ。それぞれ2人の子どもをもうけたのですが、孫の扱いもわかりやすく差別的でした」

最初におかしいな、と思ったのは、ユキさんが最初の子を妊娠した時のこと。同時期に義姉も2人目を妊娠中だった。

「予定月も同じで、義姉も私もつわりで苦しんでいました。そんな時、義姉が義母に長男を預けにきたんです。動き回る幼児の面倒をみるのは大変。義母から『ユキさん、助けて!』と応援要請です。私だってつわりで苦しいのに……。不満げな私に向けて、義母が発した言葉が『つわりなんて病気じゃない!』。はぁ? ですよね」

それから義姉は何かと言えば義母を頼り、面倒をみてもらうのが当たり前という態度だった。義母だけだと不安だけど、同い年の子を持つユキさんが一緒にいる。それも安心材料だったのだろう。