「甥がお腹を壊した時は、『何を食べさせたの!』と、義母が義姉に怒鳴られてましたね。それもあって義母は、腫れ物に触るように接していたのかも」
以来、孫差別は度を越していく。うちの子たちには目もくれず、兄夫婦の子は下にも置かぬ扱い。義兄の子どもたちがきて傍若無人の振る舞いをしても見て見ぬふり。一方、ユキさんの子どもには「静かにしなさい!」「我慢しろ!」。小学校に入学時も、義兄の子たちには入学祝を大盤振る舞い。ユキさんの子どもたちには何もなし。
「うちの長男の入学祝がなかったのは、義兄の長男に自転車を買うからですって。私の親がランドセルと机を買ってくれたので、寂しい思いをさせることはありませんでしたけど」
お盆や正月も義兄一家は実家で過ごす。そのたびにユキさんは食事の支度にフル稼働。義母は義姉とおしゃべりに夢中で、好き嫌いの激しい一家をもてなすのはユキさんの仕事だった。
「お年玉はさすがに4人の孫全員にくれましたけど、子どもたちで見せ合うから額が違うことがばれちゃって。もちろん、年齢にかかわらず、義兄の子どもたちのほうが多いのです。どうしてそういうことをするのか、理解できませんでしたね」
義兄は長男だから頼りにしているのだろう。義姉に嫌われないように必死なのかも。そう思ってはみるものの、なんともわかりやすい差別に釈然としない。