「一緒に食事に出かけたこともありませんが、別に仲が悪いわけではないんですよ。ただ、私は小さい時から人に頼ることがなく、悩んでも一人で考えるのが癖なんです」(撮影:岸隆子〈Elenish〉)
2025年8〜9月に行われたバレーボール女子世界選手権では、驚異的な粘り強さで点を取りにいく日本代表チームの姿が観る者を魅了した。主将を任されたのは、現在イタリアのプロリーグで活躍する石川真佑選手。男子代表主将・石川祐希選手の妹だ。貪欲に勝利を求め続ける彼女が目指すものは――(構成:吉井妙子 撮影:岸隆子〈Elenish〉)

前編よりつづく

成長したい一心でコートに立っていた

イタリアのセリエAに活躍の場を求め、3シーズン目になる。フィレンツェで1年を過ごし、2024‐2025シーズンから強豪のノヴァーラに移籍。1年目でチーム最多得点をたたき出し、CEVカップ(ヨーロッパのクラブチーム大会)では優勝の原動力にもなった。

――海外でプレーしたいと思ったのは、東京五輪がきっかけです。スタメンに選んでいただいたのに、何もできないまま終わってしまって。その後も国際大会に出るたびに技術不足を痛感させられましたし、このままではずっと世界で勝てないと考え、海外移籍を決断したんです。

兄(石川祐希選手)がすでにイタリアを主戦場にしていたので、決断するまでほとんど悩みませんでした。移籍先に関しては、兄からアドバイスを受けましたね。移籍1年目はいきなり強豪チームには行かず、出場するチャンスがある中堅のチームがいいだろう、と。

兄と私はエージェントが同じなのですが、私はイタリア語が話せなかったので、兄がエージェントとも相談してくれて、フィレンツェへの移籍が決まりました。

兄と同じ競技をしているにもかかわらず、普段は連絡を取り合うことがほとんどありません。兄ではなく母から、「お兄ちゃんのこのプレーは真佑にも生かせると思うよ」と言われることはあります。母が兄に私へのアドバイスを聞き、それを母から伝えられることも。2人ともイタリアにいるのに、日本にいる母がハブになっている状態です(笑)。

一緒に食事に出かけたこともありませんが、別に仲が悪いわけではないんですよ。ただ、私は小さい時から人に頼ることがなく、悩んでも一人で考えるのが癖なんです。