夫婦漫才で長年活躍してきた宮川花子さんは2019年、血液のがん「多発性骨髄腫」と診断され、現在も闘病中。夫・大助さんが食事づくりからオムツ換えまでサポートする生活を続けている。一時は、大助さんに「申し訳ない」と感じるばかりだったという花子さん。けれど近年その気持ちにも変化があったそう。ご自宅で話を聞いた。(構成:野田敦子 撮影:福森クニヒロ)
頼もしいプロに支えられて
花子 今は週に1回、抗がん剤治療を受けてます。お腹に画鋲みたいな針を刺すんですけど、これが痛いねん! 抗がん剤もこれまでの薬より、ちょっと副作用がきついみたいでね。治療の日が近づくにつれて、どうしてもユーウツになってしまうんです。
それで、つい訪問看護師さんに、「明日、抗がん剤や。嫌やわあ」ってこぼしてしまった。
大助 看護師さん、なんて言わはった?
花子 「花子さん、何を言ってるんですか。病気を治しに行くんでしょう。治すための抗がん剤ですよ。しっかりしてください!」って。
大助 活を入れてくれはったんや。ありがたいねえ。
花子 翌日、病院に行ったら主治医の先生、看護師さん、リハビリの先生方がいつも通り、集まってくれはってね。その真剣な顔を見てるうちに、感謝で胸がいっぱいになって。
大助 あなたを支えてくれる頼もしいプロの皆さんやもんな。
花子 そう。先生方への感謝を忘れたらあかんし、その尽力に応えるには、くじけたらあかん。いろんな専門家の力を借りながら、自分を奮い立たせて治療に取り組もうと思いを新たにしたわ。
大助 訪問看護師さんもリハビリの先生も、ほんまに頼りになるもんなあ。あの人たち抜きに、僕たちの暮らしは成り立たへん。
花子 ところが世の中には、介護士さんや看護師さんを家に入れたがらない人もいるらしいねん。介護される自分や家族を他人に見せるのが恥ずかしいのかな。
私たちは病気と闘うために、今より少しでも元気になるために全力で頑張ってるだけやのに。恥ずかしがる理由なんて、どこにもあらへん。堂々としとかな。