一部のメンバーが、歌も楽器も下手なのに全然練習してこないから腹が立つ、と(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは東京都の60代の方からのお便り。バンドを組んでギターを弾いていた学生時代を思い出し、地域の婦人会のバンドに入ってみたものの――。

不協和音

高校時代、文化祭でバンドを組んで演奏したことでギターに目覚めた。解散後も一人で練習し、大学時代は社会人バンドで弾いていたことも。

結婚して、もう音楽活動もしないだろうと思っていたが、地域のお祭りで婦人会がバンド演奏をしていて、面白そうだなと仲間入り。レベルは高くないけれど、一週間くらい練習して、披露して、打ち上げをやって楽しむ、という雰囲気だった。

ところがある年、メンバーの一人がぶつぶつ言い出した。一部のメンバーが、歌も楽器も下手なのに全然練習してこないから腹が立つ、と。

確かに彼女の腕前はまあまあだが、私からしたら指摘されたメンバーと大した差はない。それに彼女も、直前になってやっと練習する程度なのだ。プロが使うような高価な機材を持っているが、普段は埃をかぶっている。専業主婦だから、そのお金も全部、夫が稼いだものなのにね。

去年までコロナのせいでお祭りもなかったけど、今年は顔を合わせなくてはならない。ちょっと憂鬱だ。


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