口達者な孫は「人が苦手なことを手助けしてくれるのがAIなんだよ」と…(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
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人はAIに敵わない時代?

小学生になる孫が、夏休みの絵日記をつけているのを見てたまげた。文章に添える絵は、生成AIに描いてもらうのだという。たとえば、「プール/男の子/水遊び」などとキーワードを打ち込むと、すぐにそれらしいイラストが何パターンも出てくる。

「自分で描かなくていいの?」と聞くと、「僕は絵が苦手だもん。人が苦手なことを手助けしてくれるのがAIなんだよ。ばあばだって、電卓やカーナビを使ってるじゃん」と、口達者に言い返された。

「手描きのほうが温かみがあっていいじゃない?」と言うと、それはAIに対して失礼だと反論される。

今、将棋でも作曲でも人はAIに敵わないと言われている。しかし、そもそも人が楽しむためのゲームや娯楽を、わざわざAIにやらせなくてもという気がする。絵を描くのも、本来は人に与えられた表現の喜びだろうが、孫の言うように、苦手な人にとっては苦痛だ。下手でも味がある絵の良さを、孫に教えたいと思うのだが難しい。

孫は、学校の宿題はスマホで調べれば事足りると高をくくっている。ではたとえば、四つ葉のクローバーを探してきなさい、といった宿題が出たらどうか。それは小さな機械のなかを探しても見つからない。


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