A子の恋愛体質の復活に、あきれるやら楽しい気分になるやら……(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは山口県の60代の方からのお便り。50年来の付き合いになる友人のA子からの連絡は、40年ぶりの「星の王子様」との出会い報告だったそうで――。

老後の〈星の王子様〉

友人のA子とは50年来の付き合い。20代前半の頃、ある男性との出会いが彼女を恋愛体質へ変身させた。相手は当時30手前の地方公務員。家庭持ちの優男で、我々は彼を陰で〈星の王子様〉と呼んでいた。ぞっこんだったA子は彼を追いかけ回していたが、結局上手に逃げられてしまった過去がある。

その後、彼女はほかの男性と結婚。出産、離婚、再婚を経て、病に倒れた2人目の夫を昨年看取り、身軽なひとり身に。諸々の後始末も済み、落ち着いた生活を送っているはずのA子からある日連絡が来た。

「最近、王子様と電話しているの」「今夜、会うのよ」

40年ぶりの星の王子様との再会に、A子の恋愛体質は復活したらしい。体のメンテナンスに努め、もしものための必需品の準備に薬局へ走ったという。とにかくワクワクが止まらない様子で、私もあきれるやら楽しい気分になるやら……。

数日後、無事逢瀬を果たした彼女は、報告を兼ね両手いっぱいの土産とニヤニヤ笑顔を持参してくれた。

A子の話では、王子様も定年退職後、何となく日々を過ごしていたのが、A子と再会して、一日の始まりが待ち遠しくなり、健康にも気を付けるようになったそう。そこに生きる希望があるのは確かなようだ。


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