【基礎編】知っておきたい短歌の基本

《「五七五七七」の型を味方に》

 

短歌の唯一の決まりが、「五七五七七」の31音の形式。型が決まっていると難しいと思われるかもしれませんが、型という器があるから短歌は面白いのです。

日本人にとって非常に心地よく感じられる五音と七音に日本語を当てはめることで、言葉がリズミカルになり魅力的に見えます。型が歌を支えてくれるのです。

ですからこの型を窮屈な決まりと捉えるのではなく、あなたの日本語を受け止めてくれる心強い器だと思ってください。

 

《人の歌をたくさん読む》

 

さまざまな作品を読むことが、一番手っ取り早い上達法です。繰り返し読むことで「五七五七七」のリズム感覚が身につき、自分の中に定着します。

また、日常の小さなことから大きなテーマまで、「こんなことも歌になるんだ」と実感できるはず。気になる歌人に出会ったら、その人の歌集を読むのもおすすめです。

気に入った歌に似せて歌を詠んでみるのも手だと思います。何事も「真似る」ことから始めるのが習い事の基本です。

 

《身近な出来事をネタに》

 

たった31音で作られる短歌ですが、日々の小さな感動や気づきを掬い上げられるところが魅力のひとつです。きゅうりが安くなってきたから夏だな、といったことは、長篇小説にはならないけれど短歌にはなります。

むしろ日々の小さなときめきこそ、短歌の題材に向いている。ですから、一見ありふれた出来事でも、「ネタになるのでは?」と立ち止まってみましょう。

歌を作ることで日々の暮らしが丁寧になり、豊かな感性が育まれます。