織田軍は隠密行動できたのか

またガイドの方いわく、この近辺はかつて湿地帯だったそうで今も湧き水が多いとのこと。実際、歩いていると「大池」という名前の池が(ガイドさんいわく実際には”沼”だそう)。

桶狭間古戦場保存会・梶野幸男さん「このあたりは湿地だった。今も湧水があちこちから沸いていますよ」(写真:婦人公論.jp編集部)

今川義元が休んでいたところを信長が急襲した、といった話がよく知られていますが、馬を休ませる意味でも非常に適した場所だったようです。

一方で織田軍がやってきたとされる道を見てみると…。21世紀となった現代でも、道幅がさほど広くないことがわかります。

織田軍がやってきたとされる道。車がやっと一台通れる程度でしょうか(写真:婦人公論.jp編集部)

本郷先生「当時の一般的な道幅はせいぜい2メートルくらいなので、人が二人並んで歩けばいっぱいいっぱい。だから、もし信長が2,000人の兵隊を連れてきていたとして、それが二列、1メートルずつになって進んできたなら、単純計算で2000÷2で列は1000メートルに達する。1キロの軍列が敵に見つからずに隠密行動をする、というのはさすがに難しいんじゃないかな」