市村 あのさあ、草笛さんってときどきそういう傷ついたような顔をしてみせるよね。(モノマネをして)よくこんな顔するでしょ?

草笛 私、そんなうらめしそうな目、しないわよ。

市村 してるって!叱られた子どもみたいな顔で、上目遣いしてさ。そう、その顔だよ!(笑)

草笛 あなた、人のマネがうまいのね。(笑)

市村 役者ですから。いまの僕たちには、若者とは違う舞台の取り組み方があるんじゃないかな。一所懸命稽古を積み重ねたうえで、舞台では軽やかに演じたい。

草笛 この年齢でしか出せない所作というのもあるしね。努力のあとは見せず、鼻歌まじりで。それができるお年頃だもの。

市村 だから僕らには同じ血が流れてるって言ったでしょ。「あの年齢でよく動くよなあ」というのが、僕らへの世間の評価なのよ(笑)。だから、みっちゃんといっちゃんはできる!

草笛 じゃあいっちょ、大人の粋を見せますか。